住吉暗川




沖永良部の地質は,大部分がサンゴ礁の発達に伴う琉球石灰岩の堆積により形成されています。これらの石灰岩は,長い年月の間に二酸化炭素を含む雨水や地下水により溶食され,すり鉢状の地形(ドリーネ)や鍾乳洞などのカルスト地形を造っています。その中で,鍾乳洞の一部に縦穴や横穴ができ,地下水を汲み取ることができる場所は「暗川(クラゴー)」と呼ばれています。

住吉にある暗川は,夏の暑い日に犬と猫がずぶ濡れで岩の隙間から出てきたことから,発見されたと言われています。

暗川の水は豊富で,地域住民の日常的な生活用水,水浴や洗濯などに利用され,また交友の場・憩いの場でもありました。ここ住吉暗川は,暗川を中心に集落が発達したという生活文化史の一端を良く示すと共に,原型を残す比較的規模の大きな暗川という点で貴重な価値があります。