世之主の墓


琉球式墓。岩壁を掘りこんだトゥール墓で歴史上貴重な文化財であり,県指定文化財になっています。第一石門にはいると一面芝生の庭で昔はここで宴が催されていました。第二石門に入ると狭い庭で,祭典場でありました。その奥にサンゴ礁の岩を掘りとり,穴にした納骨堂があります。中央に右から15世紀,応栄2年ごろ島主として沖永良部島を治めていた世之主加那志,嫡子,奥方の瓶が安置され,四隅に主君を守るかのように四天王の瓶が安置されています。築造年は,不明です。

トゥール墓は,15世紀半ばから普及したと推定され,石工は沖縄から招かれています。人間は死ぬと元に帰るという琉球の思想に基づいて,墓全体が女性の股間を型どってあるといわれています。